北九州で広告運用・計測コンサルを外注する前に、費用より先に決めること
広告運用・計測のコンサルを外注するとき、見積りの金額を比べる前に決めることが3つあります。何を頼むか、成果を何で数えるか、広告アカウントとデータを誰が持つかです。
この3つが決まっていないと、安い見積りが本当に安いのかを判断できません。
結論、費用は相場ではなく、頼む範囲で決まります。安さだけで選ぶと、範囲から抜けやすいのは計測の整備です。計測が間違ったまま運用が続けば、自動入札はその数字を正しいものとして広告費を配分し続けます。
上場企業でマーケティング責任者を務め、月間1億円規模の広告費を統括していました。責任者になる前は自分で運用も担当していました。現在はMarket Engineering代表として、GA4/GTM/sGTM等の広告計測設計、広告運用代行、広告運用のインハウス移行を北九州・大阪の2拠点で支援しています。
この記事でわかること
- 広告運用・計測のコンサルの費用を、金額だけでは比べられない理由
- 安さで選んだときに、計測と運用で起きること
- 料金体系の構造と、発注前に自社で決めておく3つのこと
① 費用は「何を頼むか」で決まるため、金額だけでは比べられない
広告運用・計測のコンサルと一口に言っても、頼める範囲は大きく3つに分かれます。
- 運用代行。 入札の調整、広告文やクリエイティブの差し替えなど、日々の運用です
- 計測の整備。 GA4・GTMの設計と実装、広告媒体のコンバージョン設定です
- 判断の助言。 予算配分の判断、代理店のレポートの精査、社内の担当者の育成です
この3つは、作業の量も、必要な専門性も違います。同じ「広告運用コンサル」という言葉で見積りを取っても、範囲が違えば金額は比べられません。
社内に広告の担当者がいるなら、運用は社内に残して、判断の助言だけを頼む形もあります。代理店に運用を任せたまま、その報告の読み方と改善の指示だけを外に頼む形もあります。担当者がいないなら、運用代行と計測の整備を一緒に頼むほうが、数字と施策がつながります。
では、何を比べればいいのか? 金額の前に、見積りにどの範囲が含まれているかをそろえることです。
私は上場企業のマーケティング責任者として、広告運用を代理店に任せる側にいました。インハウス化して、運用アカウントの中身を初めて自分で通しで確認したとき、地域別の予算が市場規模と逆に配分されていました。
その配分を直し、ほかの改善点も直した結果、改善の合計は代理店に払っていたフィー以上になりました。経緯は代理店のレポートを毎月確認しても、広告は最適化されないに書きました。
フィーの金額そのものより、任せた範囲の中身を発注する側が確かめているかのほうが、費用への影響は大きいと考えています。
ただし、範囲を広く頼めば安心というわけでもありません。社内で判断する人がいないまま全部を外に出すと、外注先の判断が正しいかを確かめる手段がなくなります。
北九州の事業者向けに、運用代行・計測の整備・代理店のディレクション代行の支援内容を北九州のWeb広告運用・計測改善のページにまとめています。
② 安さで選ぶと、範囲から抜けやすいのは計測の整備
見積りを下げるとき、削られやすいのは成果が目に見えにくい作業です。広告運用では、それが計測の整備だと考えています。
なぜ計測なのか? 運用代行の費用を広告費の一定割合で決める契約では、計測の整備にどれだけ時間をかけても、報酬は増えないからです。
しかも計測の整備は、問題が表に出るまで、発注する側からも見えにくい作業です。範囲から抜けていても、契約の時点では気づきません。
計測が間違ったまま運用が続くと、何が起きるか? 自動入札は、送られてきたコンバージョンを成果として学習します。数えるべきでないものが混ざっていれば、その方向に広告費を寄せていきます。
会社員時代、ツールのコンバージョンに、コンバージョンではないイベントが混ざっていたことがあります。直す前も件数は足りていて、数字も安定していました。安定したまま、間違った方向に最適化され続けていたことになります。
詳しくはGoogle広告の自動入札に必要なコンバージョン数の目安と、件数より先に疑うことに書きました。
確かめる目安は、GA4のコンバージョン数と、実際に届いた問い合わせの件数(社内の記録)のずれです。同じ期間・同じ定義で並べて2〜3%以内なら、計測の中身は最優先の課題ではないかもしれません。倍以上ずれているなら、運用の調整より先に計測を直す必要があります。
件数も確かめてください。自動入札はtCPAで1日3件、tROASで1日6件を下回ると学習が弱くなる、というのが私の体感の目安です。件数が足りないなら、手数料を比べる前に、キャンペーンの構造から見直す必要があります。
範囲に計測が入っているかは、見積書の項目名だけではわかりません。「契約後、最初に何を確かめますか?」と聞いてください。
管理画面の数字と、GA4や実際の問い合わせの件数との突き合わせが出てくるなら、計測を範囲に入れて考えている外注先です。設定変更の話から始まるなら、計測は範囲の外にある前提で考えておくほうが安全です。
ただし、高い見積りを選べば計測が整うわけでもありません。金額ではなく、範囲に計測の確認が入っているかで見てください。
③ 料金体系の構造を知り、発注前に3つを決めておく
料金体系は、次の4つの型か、その組み合わせです。
- 月額固定。 広告費の増減に関係なく、毎月同じ金額です
- 広告費の一定割合。 広告費に手数料率をかけた金額です。最低額を決めている契約もあります
- 時間単価。 相談や作業の時間に応じて払います。判断の助言や、計測の整備だけを頼むときに使われます
- 成果報酬。 成果1件あたり、または成果の一定割合で払います
同じ外注先でも、運用代行は広告費の割合、計測の整備は時間単価、のように範囲ごとに型が違うことがあります。
見積りが割合と固定の組み合わせなら、月の費用は次の構造になります。
月の費用 = 広告費 × 手数料率 + 固定の月額(計測の保守など)
成果報酬の費用 = 成果の件数 × 1件あたりの報酬最低額が決まっている契約では、広告費×手数料率が最低額を下回る月は、最低額を払うことになります。
比べるときは、自社の広告費の予定を入れて、見積りを月ごとの金額に直してください。広告費を増やす予定があるなら、割合の部分は広告費と一緒に増えます。時間単価の見積りなら、月に何時間を想定しているかを聞いて、同じように月の金額に直します。
そのうえで、発注前に次の3つを自社で決めておいてください。
1. 頼む範囲。
運用代行・計測の整備・判断の助言の、どこまでを外に出すかです。
2. 成果の定義。
何をコンバージョンとして数えるかです。問い合わせか、来店の予約か、資料請求か。
成果報酬でなくても、運用の良し悪しはこの定義で決まります。
3. アカウントとデータの持ち主。
広告アカウント・GA4・GTMの管理者権限を、自社が持つかどうかです。外注先だけが持っていると、切り替えるときにデータと設定を引き継げません。
この3つは、外注先ではなく自社が決めることです。自社の事業の数字と社内の体制を見ないと決まりません。
ただし、計測が整っていない状態で成果報酬を結ぶのは逆効果です。式の「成果の件数」の数え方がゆるいほど、費用は膨らみます。
よくある反論への回答
「結局、平均の金額だけ教えてほしい」
平均がわかれば、見積りが高いか安いかの目安にはなります。ですが、範囲が違えば、その平均は自社に当てはまりません。先にそろえるべきは、①の3つの範囲のうち、どこまでを頼むかです。
「安い方から始めて、合わなければ変えればいいのでは?」
安い方から試すのも一つの方法です。ですが、計測の設定や運用の判断の根拠は、担当者の頭の中にたまっていきます。切り替えるときは、その中身を棚卸しして引き継ぐ手間がかかります。
試すなら、③の3つ目(管理者権限を自社で持つこと)だけは最初に済ませておいてください。詳しくは代理店から計測を引き継ぐとき、資料より先に確認すべきことがありますに書きました。
「成果報酬なら、損はしないのでは?」
成果が出ない月の費用は抑えられます。ですが、成果の数え方がゆるければ、報酬だけが高くつきます。契約の前に何を成果として数えるかを決め、②のずれの確認を済ませてください。
「北九州の会社に頼むべきか、東京の会社でもいいのか」
定例会や管理画面の共有はオンラインでできるため、成果を左右するのは代理店の所在地そのものより、北九州の商圏と業種を理解したうえで設計しているかどうかだと考えています。
ですが、店舗や現場を見てほしい、社内の担当者と対面で話してほしいなら、近いほうが動きやすいです。どちらの場合も、選ぶ基準は場所ではなく、③の3つについて具体的に話せるかです。
そのまま使える一覧
見積りを比べるときに、外注先へ聞く3つの質問です。
1. 見積りには、運用代行・計測の整備・判断の助言の、どこまでが入っていますか?
2. 契約後、最初に何を確かめますか?
3. 広告アカウント・GA4・GTMの管理者権限は、こちらで持てますか?関連記事
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②のずれを確かめるには、まずGA4の計測が正しく組まれているかの確認が要ります。GA4の設定を10項目でチェックできる無料チェックリストを用意しています。
自社の状況で、どこまでを外注するかを一緒に整理したい方は、30分の無料相談も受け付けています。