「コンバージョンをGA4で計測しましょう」と言われたら、まず確認すべきこと

「コンバージョンをGA4で計測しましょう」と言われたら、まず確認すべきこと

制作会社や代理店から「コンバージョンをGA4で計測しましょう」と言われた経験がある人は多いはずです。

その一言が具体的に何を指すのか、確認しないまま進めるケースが多いんですよね。

前職では上場企業でマーケティング責任者を務め、月間1億円規模の広告費を統括していました。そのなかで、Google広告の直接タグからGA4経由のコンバージョンインポートへ切り替える判断をしたことがあります。複数媒体を並行運用しており、媒体ごとにコンバージョンの定義がバラつくと施策の比較ができなくなるという、明確な理由があってのことでした。

現在はMarketEngineering代表として、BtoB中小企業のGA4/GTM設計・広告インハウス運用支援をしています(北九州・大阪2拠点)。支援先で「GA4で計測しましょう」という提案を受けた後の相談を受けることがあります。多くの場合、提案した側も説明を受けた側も、その一言が何を意味するのか具体的に詰め切れていません。

「GA4で計測する」と言われたら、契約や作業に進む前に確認すべきことが4つあります。


確認1:「GA4で計測する」が何を指すか

「GA4で計測する」には、意味が大きく異なる2つのパターンがあります。

一つは、GA4側でイベント(フォーム送信など)を計測できるようにするだけの話です。これはGA4を導入していれば当然やるべき基本設定で、Google広告の運用には直接関係しません。

もう一つは、GA4でコンバージョンとしてマークしたイベントをGoogle広告アカウントにインポートし、Google広告の自動入札の判断材料として使う話です。これは前者とは別の、追加の設定作業です。GA4を導入したからといって、Google広告のコンバージョンが自動的にこちらに切り替わるわけではありません。

提案された「GA4で計測する」がどちらを指しているのか? まずここを聞きます。後者であれば、以降の3つの確認が必要になります。


確認2:今の直接タグ(Google広告の既存コンバージョン計測)はどうなるのか

後者(Google広告のコンバージョンをGA4経由に切り替える話)だった場合、今のGoogle広告の直接タグ(サンクスページ等に直接設置したコンバージョンタグ)をどう扱うのかを確認します。

すぐに消すという提案には注意したほうがいいです。コンバージョンアクションを切り替えると、Google広告の自動入札は学習をやり直すことがあり、CPAが一時的に悪化しやすくなります。安全な進め方はこうです。

移行期間中は両方を有効にしたまま、どちらか一方だけを「主要なコンバージョン」に設定し、もう一方は比較用の「セカンダリ」に留めておきます。この並走の設計まで説明できているかどうかは、提案の質を見極める一つの目安になります。


確認3:自社に本当に必要か

GA4経由への切り替えが効いてくるのは、次のような条件がそろっている会社です。

  • Google広告・Meta広告など複数媒体を並行運用しており、媒体ごとのコンバージョン定義のズレが実際に問題になっている
  • GA4のデータをBigQuery連携やLooker Studioで分析・報告に本格的に使っている、または使う計画が具体的にある
  • 今後半年〜1年で広告媒体を増やす計画があり、今のうちに計測の一元管理体制を作っておきたい

このどれにも当てはまらず、Google広告1媒体のみで、GA4もダッシュボードを眺める程度という状態なら、急いで切り替える理由は乏しいです。直接タグのままで十分なケースのほうが、BtoB中小企業では多いです。

提案してきた相手は、自社のこうした状況を踏まえて「必要だから」と言っているのか? それとも一律に勧めているだけなのか。ここを確認します。


確認4:切り替え直後の数字の変動を事前に説明しているか

GA4経由のインポートには反映のタイムラグがあります。体感として、GA4側でコンバージョンが確定してからGoogle広告の管理画面に反映されるまで、数時間から1日程度かかることが多いです。直接タグのようにほぼリアルタイムでは反映されません。

このラグを知らずに切り替え直後の数字だけを見ると、「コンバージョンが減った」と誤解しやすくなります。実際には計測が止まっているのではなく、反映待ちのデータが積み上がっているだけということが多いです。判断の基準にすべきは、切り替えから最低3〜4日経過した時点での件数です。

加えて、コンバージョンアクションの切り替えで自動入札の学習フェーズがリセットされ、その間CPAが不安定になりやすいことも、事前に説明しておくべき内容です。この変動リスクを提案時点で説明せず、切り替え後に「一時的に数字が落ちるのは想定内です」とだけ後から言ってくる相手には、注意したほうがいいです。


要は、こうです。

「コンバージョンをGA4で計測しましょう」と言われたら、それがGA4での計測追加なのか、Google広告のコンバージョン切り替えなのかを確認します。切り替えの話であれば、既存タグの扱い、自社に本当に必要な条件がそろっているか、切り替え直後の数字の変動について、事前に説明を受けているかを確認します。この4つを聞いて明確に答えられない相手からの提案は、一度立ち止まって検討したほうがいいです。


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