広告ROAS 74%→158%へ改善。CVの質とLTVデータ活用で赤字を脱した事例

CPAは良好なのにROASが赤字のまま。広告データの定量・定性分析からLTV改善の示唆を導き出し、Googleの機械学習に反映することでROAS 74%→158%を実現した事例です。

広告ROAS 74%→158%へ改善。CVの質とLTVデータ活用で赤字を脱した事例

背景

あるサービス企業B社は、Google広告の運用を広告代理店に委託していました。しかし、パフォーマンスはなかなか改善せず、ROAS(Return on Ad Spend:広告費に対する売上の比率)は74%と100%を下回る赤字の状態が続いていました。

課題

表面上のCPA(顧客獲得単価)は良好に推移していましたが、獲得できているユーザーのLTV(顧客生涯価値)が低く、広告経由の売上が広告費を下回る状態が続いていました。既存の代理店もこの状況を把握していたものの、広告データの分析からLTV改善につながる示唆を見出せず、打ち手を見つけられないまま赤字が続いていました。

支援内容

1. Google広告データの分析による示唆の抽出とYahoo!広告への出稿

MarketEngineeringがまず着手したのは、既存のGoogle広告データの深掘り分析です。広告データをもとに定量的な相関分析を行いながら、獲得ユーザーの行動特性や購買背景といった定性的な観点も組み合わせ、どの設定・配信条件がLTVと連動しているかを多角的に読み解きました。数字だけでなく「なぜその顧客が売上につながるのか」という解釈まで踏み込むことで、再現性のある示唆を導き出しました。広告運用と並走してデータ分析を行えることが、この工程の肝です。

この分析結果をもとに、Yahoo!広告の運用を担当。最初から売上につながりやすいユーザーの獲得を狙った出稿設計を行いました。

事前のデータ分析が奏功し、Yahoo!広告は初月からROAS 100%超を達成。Yahoo!広告はGoogle広告と比べてメディア自体のボリュームが異なるため獲得件数の差はありましたが、ROASでは初月から黒字での運用を安定させることができました。広告運用とデータ分析を一体で見られる点を評価いただき、その後Google広告の運用もMarketEngineeringにご依頼いただきました。

2. LTVデータをGoogleの機械学習に反映

さらなる改善に向け、クライアント社内のエンジニアと連携。顧客データとLTVの関係を調査し、「売上につながりやすいCV」と「そうでないCV」を分類するロジックを構築しました。この情報をGoogle広告の機械学習に反映させることで、広告のターゲティング精度を引き上げました。

結果

  • ROAS:74% → 158%(赤字から約2倍超に改善)
  • Yahoo!広告:初月からROAS 100%超を達成
  • LTVデータ連携により、Google広告のターゲティング精度が向上

AI時代でも、分析力が広告の勝敗を分ける理由

近年、機械学習をはじめとするAIへの依存度が高まり、「広告運用は自動化できる」という認識が広がっています。しかしそれは、十分な広告費を持つ広告主に限った話です。

AIは試行を繰り返すことで最適解を導き出しますが、広告予算が限られている場合、その試行期間だけで予算が尽きてしまうリスクがあります。少ない予算でAI任せの運用を行うと、AIの力を引き出す前に機会を失うことになります。

また、AIが苦手とする領域があります。それが定性的な分析です。ユーザーの行動背景や購買文脈を読み解くには、まだ人間の分析力が不可欠です。今回の支援でも、定量データと定性的な解釈を組み合わせることで、AIだけでは導き出せない示唆を見つけることができました。

まとめ

CPAが良くてもROASが改善しないケースの多くは、コンバージョンの「質」の問題に起因します。しかしこの問題を広告データの分析から特定し、打ち手に落とし込むには、広告運用だけでなくデータ分析のノウハウが必要です。

MarketEngineeringでは、広告データの分析による示唆の抽出から、計測設計・Googleの機械学習への反映まで一貫して支援します。「代理店に任せているが改善が止まっている」という場合は、ぜひご相談ください。